*歯の痛みについてお話します。
歯の痛みは、大変つらいものです。歯の痛みは夜眠れなくなるほど痛く、 仕事も手につかなくなるほどです。なぜ歯の痛みはこんなにもひどいのでしょうか? それは、歯とそれを取り巻く組織の構造に原因があります。
まず、歯は、人体でもっとも硬い組織で、歯の中の神経はその硬いからの中に閉じ込められているため、
細菌の進入(虫歯や歯槽膿漏による)により炎症が起きると、歯の内部が充血し、 圧力が異常に高まることによって痛みを感じるのです。そのとき歯は外に向ってはれることができないため、 内部の圧力は高まる一方です。そしてさらに、歯の内部は痛みを感じる神経の末端が人体の中でも最も数多く 密集している所なのです。
さらに、歯の痛みを感じる神経は、首から上のほとんどの知覚をつかさどり、 頭痛を感じる神経も元をただせば同じ神経なのです。さらにひどいことに、その歯自体も硬い骨の中に硬く埋まっており、 歯の周辺に炎症が広がると更なる痛みが待っているのです。
しかしその歯の痛みも、4〜5日も苦しんでいると自然に軽減してきます。そこで、良く「治った」 と言って来る方がいますが、とんでもないことです。それは次なる苦しみのための準備が確実に進んでいるだけなのです。
何ヵ月後、あるいは何年後か、今度は骨膜炎、骨髄炎があなたを待っています。 顔は腫れ上がり、熱が出たり、全身症状が出ることがあります。場合によっては顎の下から首へ、 また眼窩へと炎症が広がることもあります。また慢性的に移行して骨髄の中に病巣を持つと、 アレルギー性の皮膚炎を引き起こしたり、心臓疾患や動脈硬化、糖尿病など成人病の悪化の原因になったりします。
自然の中では、歯の疾患から命を落とす野生動物も数多くいるのです。 怖いことばかり書きましたが、私の経験上どんな場合が痛いかランキングを書いてみました。
○場所…下の奥歯>下の前歯>上の前歯>上の奥歯
○治療内容…歯の中の神経を取る>歯を深めに削る>歯を抜く(永久歯)>歯を少し削る
○状態…歯の神経が痛いとき>周囲の骨が痛いとき>歯肉が痛いとき
○麻酔の効き 痛いほど効かない…上の歯>下の前歯>下の奥歯の順で効きやすい
要するに、下の奥歯が虫歯で、ここ2〜3日痛くて夜眠れないほど痛い場合い、 麻酔も良く効かず、何をするのも1番痛いのです。
こうなる前に何とかしましょう、あなたも、歯医者も、 お互いにつらいだけです。それから、2〜3歳の子供でこの状態になってしまっているお子さんがたま〜にいます。
最悪の場合、物心ついてから1度も痛くない歯で食事をしたことがなく、あげ句の果てに若いうちから成人病、 なんて人生を歩まないか心配です。………..合唱 |