*院内感染症(あくまでも自分の私見として)
今回は、院内感染とその予防についてお話します。
院内感染とは、病院や診療所で、ほかの患者さん、病院のスタッフ、治療器具、などから病気がうつったり、病院の床や壁、イスなどの設備などに付着している病原菌が感染して病気になってしまうことを言います。すなわち、病気を直しに行ったはずの病院が媒体となって、新たな病気になってしまうことなのです。もちろん、私たち医療従事者も、常にその危険にさらされています。特に、最近ではHIV,SARS,C型肝炎など、新しい感染症が次々と現れ、治療法が確立していないものも少なくありません。
また、感染者本人が感染に気付かずに、病原体を撒き散らしていることもあります。私たちにとっても、通院してくる患者さんにとっても非常に重要な問題なのです。しかし、私たちのような個人開業医の間では、まだまだ十分な対策が取られていないのが現実です。
特に歯科医院では、治療に出血を伴うことが多いため、HIVや、肝炎ウィルスの感染媒体になる可能性が高いにもかかわらず、その対策は???????????のです。
院内感染の予防には何をしたら良いのでしょう。究極の方法は、1人患者さんを治療するたびにその病院を使い捨てすることです。しかしそんなことは非現実的です。できる事をできるだけやるしかないのです。どこまでやるかは、そこの医院長の良心しだい、と言えます。
私ですか? 私の診療室では、患者さんごとに、その口の中に入るもの(治療器具はもちろん、ドリルの刃先、ドリル本体にいたるまで)は、すべて消毒済みのものと交換します。(当たり前のことのようですが、これを完全なものにするのに結構な月日がかかりました。) でも、1人の患者さんごとに治療椅子を使い捨てにはできません、簡単に消毒するのが精一杯です。人が何人かいるだけで感染の恐れはあるのです。日々の努力と改良が求められていることだけは確かです。しかし、明確な決まりはなく、それぞれの医師の裁量に任されているのが現実です、そして、そのための評価(具体的に言うとかかった費用や労力に対する報酬)はほとんどないのです。 |